【ナスカの地上絵】ナスカの基本情報、リマからナスカまでの行き方や日帰りツアー情報

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ナスカの地上絵(Líneas de Nazca)

ナスカの地上絵ってどこ?


ナスカは、ペルーの首都リマから南東へ約400km、アンデス山脈と太平洋に挟まれた乾燥地帯に位置する。BC100〜AD800年頃にかけてナスカ文化が栄えたこの地域に、約450㎢という広範囲にわたって描かれた地上絵が「ナスカの地上絵」である。

【世界遺産】ナスカの地上絵とは?

発見

地上絵の発見は、1920年代にペルー航空のパイロットが砂漠の中に十字の線を見つけたことが最初だと言われている。その後1939年に古代の灌漑システムを研究しにこの地にやって来たポール・コソック博士によって、今から1400~2200年前に描かれた地上絵が発見された。ポール・コソック博士の助手であったドイツの数学者マリア・ライヒェ女史を中心としたチームが、地上絵の研究と保護活動を行うようになった。

誰が何のために描いたのか

この地域で発掘された陶器や織物に描かれている動物と同じ絵が地上絵に描かれていることから、ペルー南部カウアチ近郊で文明を築いていたナスカ人によって描かれたことが殆ど間違いないと言われている。

ナスカの地上絵がなぜ描かれたかについてはまだ解明されておらず、描かれた目的については、「公共事業説」「農暦説(農耕の時期を知らせるための暦)」「地下水路説」「天体観測説」「雨乞い説」「宇宙船の発着場説」「宇宙人による落書き説」など様々な議論がなされている。

どのようにして描かれたのか

ナスカ砂漠の表面は暗赤褐色の岩で覆われており、その下に白っぽい砂の層がある。地上絵は、表面の礫岩を取り除き、砂の部分を露出させて線(幅は30〜60cm)として浮かび上がらせる手法で描かれている。かなり高い場所からでないと地上絵を確認することができないが、ナスカ平原周辺に地上絵を見渡せるような高台がないことから、熱気球の利用や、宇宙船が利用されたといった説があった。現在は、高度な測量技術を使い、大きな原画の一点から放射状に原画の線上に取った各点を同じ倍数で拡大するといった手法で作成した、とする説が有力である。地上絵の中にそのような測量のために用いたと思われる杭が発見され、地上絵の縮小画が見つかったことから、現在ではこの「原画拡大説」が定説化している。

なぜ消えないのか

ナスカの地上絵一帯の地域は、年間降水量が25mmに満たない乾燥した砂漠地帯。雨風の影響が少ない中で、さらにナスカ人々は雨で消えにくい坂道などに地上絵を描き、水が浸透しないようにしたことで長い間消えずに残っている。近年、トラック運転手の侵入しタイヤ痕をつけたり、環境保護団体「グリーンピース」の活動家が地上絵に侵入して足跡を残して人的要員による損傷が絶えない。また、エルニーニョ現象の影響で、ナスカで洪水が起きたり、雨の量が増えたりしており、消失の懸念がある。

絵の種類や模様

地上絵は、幾何学図形や動植物などをモチーフにしたデザインが多いが、単純な模様のものを含めると全部でおよそ1万種類確認されている。ナスカの地上絵といえば全長96mの一筆書きで描かれた「ハチドリ(colibrí)」が有名。しっぽが渦巻きになっている「サル(mono)」も有名だが全長55mと地上絵の中では小さい部類に入る。地上絵の中でも最大級の大きさは、全長285mの「ぺリカン」。

ナスカの気候とベストシーズン

ナスカの年間平均気温は約20℃で、年間を通じて殆ど雨が降らない。特に夏(11〜4月)は晴天が続き、暑い日は30度を超えることもある。冬(5〜10月)はガルーアという霧が発生しやすくなり、6〜9月は曇りの日が多い。霧の影響で湿度が高くなり、朝晩は冷え込む。ナスカの地上絵は年間通して観光が可能だが、ベストシーズンは、空気の澄んでいる11〜4月である。

ナスカの地上絵への行き方

拠点の街のナスカは、リマから南に440km離れており、長距離バスでは約6〜8時間の道のりである(クスコからだとバスで14時間)。ナスカまで行っても、上から見なければ地上絵全体が見えないためセスナでの遊覧飛行が人気。

地上絵遊覧飛行をするためのセスナ機飛行場は、ピスコ、イカ、ナスカの3つしかない。観光客が他の都市からこの飛行場に乗り付けることはできないため、この3つの空港へ行くには、いずれもリマから車やバスなどを利用した陸路移動をしなければならない。リマからの所要時間の短い順に、ピスコ(3.5〜4時間)、イカ(4〜4.5時間)、ナスカ(6時間〜8時間)。

1. リマからナスカ行きデイツアーに参加

リマのツアー会社を通して、ナスカの地上絵遊覧飛行代とバジェスタス島観光も含め一人約300US$(約33,000)前後で1日観光が出来る。1日ツアーは通常朝の4〜5時にリマを出発し、ナスカ観光、地上絵遊覧飛行、バジェスタス島観光をして夜10時ごろにリマに戻る。ツアーは、「ナスカの地上絵」だけを訪れるプランや、周辺の観光スポットとの周遊ツアーもある。

【リマにオフィスがある日系の旅行会社】
ミッキーツアー:Mickey Tourホームページ
カントゥータトラベル:Cantuta Travelホームページ
ダイチニトラベル:Dainichi Travelホームページ
アンデスニッポンツーリスト:Andes Nippon Touristホームページ

2. リマから遊覧飛行ツアー

時間がない場合や、地上絵を上空から見る以外興味がない場合、わざわざバスで長時間かけてナスカまで行かずに、ピスコとイカからセスナで遊覧飛行ができる。リマからこれらの町へはバスで3~4時間ほどで到着するので、そこからセスナ(飛行時間1.5時間)に乗って、その街に戻る(ピスコとイカからの遊覧飛行だけであれば、日帰りも可能)。ピスコが3つの飛行場の中で1番地上絵から遠く、飛行時間が長くなるためその分コストも高くなる。ピスコへ行く場合はパラカス、イカへ行く場合はイカ行きのバスに乗車する。

3. ナスカまで行ってセスナに乗る

ナスカの空港は、地上絵を遊覧するためのセスナしか発着しておらず、各地を結ぶフライトはない。リマからナスカはバスで所要時間6〜8時間で一日2〜6本運行されている。ナスカは小さな街でバスターミナルがないため、アルマス広場から600mほど西にある各バス会社の前に到着する。遊覧飛行は30分程度 でセスナは100US$(約11,000円)程度かかる。

【ネット予約】ナスカの地上絵日本語対応ツアー

世界遺産「ナスカの地上絵」 セスナ遊覧&バジェスタス島クルーズ 1日観光ツアー<日本語ガイド/リマ発>  (USD 602.00)
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セスナ遊覧飛行「世界遺産ナスカの地上絵」&砂漠のオアシス「ワカチナ湖」 1日観光ツアー<日本語ガイドまたは英語ガイド/リマ発>  (USD 390.00
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世界遺産「ナスカの地上絵」 セスナ遊覧日帰りツアー<日本語ガイド/リマ発>  (USD 520.00)icon

ナスカ出発、ナスカの地上絵観光

ナスカはどんな町?

ナスカは、ペルーの南部の砂漠地帯イカ市にある人口3万人ほどの小さな街。アルマス広場を中心に、そこから600mほど西にあるバス会社オフィスとその通りにホテルやレストラン、旅行会社や観光案内所などが集中している。

ナスカに到着してバスを降りると、遊覧飛行とツアーの勧誘やホテルの客引きが声を掛けてくるが、お客を取るのに必死で嘘をついたり、ぼったくるケースがあるので基本的に無視したほうが良い。

ナスカからセスナに乗る

ナスカに到着してから、現地の旅行会社で手配する。現地で手配するメリットは、天候の様子を見てフライトの時間を決められる点である。空気が澄んでいる朝が見やすい。4〜8人乗りの小型セスナか12〜15人乗りの中型セスナでのフライトが一般的で、大型になるほど音も静かで飛行も安定しているが、窓際を取れなかったら地上絵が見えにくいため良し悪しだ。

さっぺ
小型セスナだと、窓際の席が確保でき、低空飛行もできるため、地上絵が見やすいと言われているが、細かく動くだけにジェットコースターに乗っているような感覚で酔う人も多い。心配な人は酔い止め薬を飲んでおいた方が良い。

ナスカの展望台「ミラドール(mirador)」から見る

間近で地上絵を見る場合は、ナスカ市街からは約20km離れた所にある「ミラドール」という高さ約20m(5階建の建物程度)の展望台から見学ができる。このミラドールは、ナスカの地上絵を長年研究していたマリア・ライヒェが建てた鉄塔で、この場所に行くまでは旅行会社の送迎かタクシーかバスが一般的。この塔からは、「木」と「手」の地上絵が見れる。マリア・ライヒェは31歳の時に壊疽で指を一本失っている。この展望台から見える「手」の指も5本と4本である。この場所には、お土産屋が3件ほどとトイレがある。

【現地ツアーの場合】35ソル+入場料8ソルでトータル43ソル(約1,500円)で参加することもできる。他にもミラドール+ナチュラルミラドール+パルパの展望台で60ソル(約1,800円)などのツアーもある。

【自分でバスで行く場合】ナスカからCueva社、Flores社、Soyus社のイカ行きのローカルバスに乗る(乗る前に、ミラドールで止まるか運転手に要確認)。片道、約20分で3ソル(約100円)で帰りも、ミラドール前を通りがかるローカルバスを捕まえて同じルートで戻る。

【名称】ミラドール展望台(Mirador De Las Líneas De Nazca)
【住所】Nazca, Peru
【時間】6:00〜18:30
【料金】大人:3ソル(約100円) 子供:1ソル(約30円)

パンアメリカン・ハイウェイ沿いにあるミラドール展望台から約2km(歩いて約20分)の場所に「ナチュラル・ミラドール(無料)」という小高い丘がある。そこからもナスカの地上絵を見ることができる。広大な自然の中で地平線まで続く景色と共に地上絵を眺めることができ、特に夕日が沈む時間帯は、あたりが真っ赤に染まる絶景スポット。

ナスカ近郊の見どころ

ナスカ近郊には、ナスカ時代の遺跡が残されており、当時の出土品や地上絵に関する展示がされてある。ただ、ナスカには公共交通機関がなく、それぞれの観光スポットが離れているため、タクシーをチャーターするかツアーに参加するのが一般的。サンドバギーツアーでクスコの観光地を巡るツアーなどもある。

パレドネス遺跡と水路(Los Paredones/ Los Acueductos de Cantayoc)

ナスカ市街からタクシーで約10分離れた場所にある、日干しレンガで作られたインカ時代の螺旋形の美しい水路と遺跡。多くは地震で倒壊してしまったが、この水路は殆ど雨が降らないナスカに、30㎞以上も離れたアンデスの山から現在も水を運んでいる。

【住所】Los Paredones, Nasca
【時間】8:00~18:00
【料金】遺跡は入場無料、水路は10ソル(約350円)

チャウチージャの墓地(Cementerio de Chauchilla)

ナスカ市街から南約30㎞にあるナスカ時代の墓地跡。多くの墓地が盗掘目当てで掘り返されており、墓穴にはかつてのナスカの人々のミイラや白骨化した遺骨が並べられている。所要3時間程度のナスカからの現地ツアーが20〜30ソル(約1,000円)である。

【住所】Cementerio de Chauchilla, Nasca
【時間】8:00~17:00
【料金】8ソル(約250円)

カワチ遺跡(Cahuachi)

ナスカの地上絵の南でナスカ市街から車で約1時間の場所にある、日干しレンガで築かれた神殿やピラミッドの跡。ナスカ時代の祭祀所跡だが、その全容は未だ明らかになっていない。
遺跡内に立ち入ることはできず、外から眺めることしかできない。

【住所】Oficina 201, Nazca, Peru
【料金】無料

マリア・ライへ博物館(Museo Maria Reiche)

ナスカ市街から30kmほど離れている場所に、ナスカの地上絵の研究に生涯を捧げ、多くの功績を上げ、1993年には功労十字勲章が授与されたドイツ人数学者マリア・ライヒェが生前住んでいた家がある。彼女の慎ましい生活スタイルと、膨大な研究資料や出土したミイラが残されており現在、そこが博物館として公開されている。小さな博物館なので見学にそれほど時間がかからないが、遠いのでタクシーかツアーで行く。

【住所】Caserío la Pascana, Carretera Panamericana Sur Km 420
【時間】8:00~17:00
【料金】5ソル(約150円)

アントニーニ考古学博物館(Museo Didattico Antonini)

周辺の発掘現場から収集されたナスカ文明の貴重な陶器や織物などが詳しい説明とともに見られます。アルマス広場から徒歩10〜15分位の場所にあり、ナスカでの出土品などが展示してある。ミイラや展示物は見応えがあるが、見物客があまり多くないのでゆっくり見て回れる。

【住所】Av de la Cultura 606
【時間】9:0019:00
【料金】15ソル(約450円)

イカ郊外の観光情報

ワカチナのオアシス(Oasis of Huacachina)

砂漠のオアシス「ワカチナ」は、リマから南に約300km離れた、イカの郊外に位置している。小さなリゾート地となっていて、木々の中に湖があり、水辺に沿った散歩道もきれいに整備されている。湖ではボート、砂丘ではサンドボーディングやサンドバギーなどのアクティビティに参加できる。

【住所】Huacachina, Peru
【所要時間】リマーイカ:車で約4時間半、イカーワカチナ:車で約10分

ペルーの地酒「ピスコ」のワイナリー

ペルーの地酒「ピスコ」とは、発酵させたブドウの果汁を濾して、蒸留させて造る蒸留酒。イカ市内から片道10ソル(約400円)ほどで行ける、ピスコのTacamaワイナリーは、1540年代にスペイン人により造られた南米大陸最古のワイナリー。現在も、250ヘクタール以上の広大な敷地でぶどう栽培がされ、ワイン、スパークリングワイン、ピスコなどが作られている。毎日30分置きにツアーが行われており、ピスコの蒸留過程を見学したり、様々なピスコの試飲をしたりできる。

【名称】Tacama
【住所】Hacienda Bodega Tacama, Ica, Peru
【電話番号】51-1-218-3017
【営業時間】9:30〜16:30 (30分置きにツアーがある)
【公式サイト】http://www.tacama.com/en/home.php
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